裏腹な彼との恋愛設計図
「古賀さんは間違いなく絵梨子さんを狙ってると思うんですよね。絵梨子さんも満更でもなさそうなんだけど、追われるのを楽しんでるような感じで、気があるのかどうかはイマイチ……」

「なるほどねぇ……。息ぴったりだし仲良いし、お似合いだけどな」


現場監督をしている古賀さんはとっても仕事熱心で、現場でも図面と向き合っていても、ミスがないか隅々まで完璧にチェックしている。

絵梨子さんも同じく、丁寧かつ俊敏に仕事をこなす人で、お客様の要望をしっかりと反映した設計図を作り上げてくれる。


そんな、ワイルドでカッコいい古賀さんと、美人で姐御肌の絵梨子さん。

性格も容姿も釣り合ったオトナ同士、私の中ではとっても素敵なカップルとして成り立っているんだけどなぁ。


「でも古賀さん、矢城くんのことからかい過ぎよね。冗談でもあんなふうに言われたら反応に困るじゃない」


古賀さんの下で彼を見習って働く、建築士三年目の矢城くん。

私より年下の社員は彼だけだから、唯一とても気楽に話せる存在だ。

だから、私達が親しげに話しているところを見て、古賀さん達は冷やかしてくるのかもしれない。

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