裏腹な彼との恋愛設計図

「それより紗羽は？　どうよ、新しい職場は」


そういえば、忙しかったから私が転職してから会ってなかったんだよね。

うぅむ、何から話せばいいのやら。

とりあえずミライトホームは皆いい人達で、仕事も順調だということを話して……。


「それでね？　実は、年下の男の子にデートに誘われまして……」

「そうなの！？　だってまだ二ヶ月くらいだよね？」

「うん……一目惚れに月日は関係ないんだそうです」


包み隠さず言うと、まんまるにした目を、今度はふにゃりと細める朝海。


「なによ～すでにラブラブじゃない」

「そういうんじゃないんだよ。向こうは気があるようなこと言ってくれてるけど、私はまだ……」

「でもまんざらでもないんでしょ？」


梅酒を飲みつつニヤリとする朝海に、私はもぐもぐと口を動かしながらうーんと唸る。


「すごく嬉しいしね、彼ほんといいコだし、好きになれたらいいなーとは思うんだけど……。なんか、このままデートしていいのかなって漠然と考えちゃうの」