裏腹な彼との恋愛設計図
何なんだろう、このモヤモヤした感じは。

上手く言い表すことが出来ないけれど、何かが私を躊躇わせている。


「もしかして、まだ三好くんがどうのとか言っちゃう?」


信じられない、とでもいうような顔で私をまじまじと見る朝海。

高校で三年間同じクラスだった彼女は、もちろん私の三好くんへの恋心も知っていた。

あの頃も、「どこがいいの? 本気なの!?」って最初は驚かれたっけ。


そんなことを思い出しながら、私は小さく笑って首を振る。


「違うよ。三好くんのことはもういいの」


これまで付き合った人は、きっと無意識のうちに三好くんと比べてしまっていたのだと思う。

でもそんなことをしてたって、また彼に会えるわけじゃない。

三好くんはもう過去の人。だから、もう忘れようって決めたんだ。


そう思えたのはどうしてだっけ?

……あぁそうだ、この間の残業中、彼と話している時に……


「もしかして、他に気になる人がいるとか?」


──朝海の言葉と、柊さんの姿が、頭の中で重なった。

< 51 / 280 >

この作品をシェア

pagetop