裏腹な彼との恋愛設計図
小さな男の子と三人で来ていた杉山さんは、様々な色のカラーマジックでメッセージを書いていく。

その様子を、私は柊さんの隣で眺めていた。


「ここがキッチンで、そこがダイニングになるのか……なんかワクワクする」


まだ何もない板張りの床に、完成した後の家の風景を想像してみる。


「ダイニングを見渡せるカウンターキッチン、やっぱり憧れるなぁ。
料理しながらでも皆が集まってるところが見えるって、安心するし幸せですもんね」


最初は独り言だったのについ話し掛けてしまい、無表情の柊さんに笑顔が固まる。

うわ、また聞かれてもないのに将来設計を語ってしまった!


「夢見がちな女だな」


ほらーやっぱり呆れられてるよ。

シュンとしながらも、口を尖らせていじける私。


「すみませんね、大人げなくて」

「いや……いいんじゃないか」


──え?

柊さんが否定しない……どうしちゃったの!?

思わず奇妙なモノを見るような目で見やると。

いつになく穏やかで、けれどどこか切なげな表情をした彼がこう呟いた。


「俺も作ってみてぇよ、そういう家庭」

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