裏腹な彼との恋愛設計図
──柊さん……?


また初めて見た彼の表情に、私の胸はときめきではない複雑な音を奏でる。

何かあったんだろうか……そんな表情をさせる、何かが。


彼はすぐにまた笑顔を作ると、メッセージを書き終えた杉山さん達に歩み寄る。

漠然とした疑問を抱きながら、幸せそうな一家の記念撮影をする柊さんを、私はただ見つめていた。




「ありがとうございました」

「いえ。お気をつけてお帰りください」


若干風が涼しく感じてきた頃、現場を後にする杉山さん一家を、柊さんとともに外に出て見送った。


「俺らも会社に戻ろう」

「はい。……あ、バッグ!」

「あ?」


いけない、家の中に置いたまま忘れてた!

「すぐ取ってきます!」と言って急いで中へ入ると、窓が嵌まる空間から外にいる矢城くんの姿が見える。

図面を見ながらまだ何かをチェックしていて、その真剣な横顔はいつもの可愛らしさを隠していた。


「矢城くん、まだ終わらないの?」

「あ、もう終わります。気にせず先に戻っててくださいね」

「ごめんね。頑張って」

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