彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)


(瑞希お兄ちゃん・・・・私に何か隠してる?)




いつもとは違う瑞希お兄ちゃんに、不安が大きくなる。



私、何かしたかな?

内緒にしなきゃいけない秘密でもあるの?

人に言えないような―――――・・・・・・!?





“大好きだ、凛”


ドキッ!!


「あう!」




フラッシュバックでよみがえる甘い記憶。




(あわわわわ!!)




「どうした、凛?」


「な、なんでもないです!」




瑞希お兄ちゃんの問いに、ブンブンと手と首を横にふりながら誤魔化す。

思い出したことを、書き消しながら言った。



「変な奴。ほら、出来たぞ。」



クスッと笑って、目の前に湯気の立つマグカップを置いてくれる。

私専用のマグカップ。

モニカちゃんお手製のデザインなんだけど、とってもメルヘン。



「いつ見ても・・・可愛いヒヨコですね・・・」

「あはははは!ヒヨコっこの凛にはピッタリだよなぁ~?」

「もぉ!またそういうこと言うー!」




子ども扱いす彼のおかげで、頬がふくらむ。




「怒るな、怒るな。早く良い男になれよ、凛。そしたら・・・ヒヨコからも卒業だ。」




コツコツと、マグカップにプリントされた可愛いヒヨコを指先でつつきながら言う。



「俺、お前の成長見るのが唯一の楽しみなんだよ。」

「瑞希お兄ちゃん・・・」

「殻つきのひよっこが、闘鶏(とうけい)になるのが待ち遠しいぜ・・・」

「闘鶏・・・・」



〔☆良い子のためのワンポイント解説☆〕
闘鶏:ギリシャで始まったニワトリとニワトリが戦う競技で、『チキンファイト』ともいうだよん♪




(そっか・・・・私が瑞希お兄ちゃんに好かれるには、ケンカのスキル上げなきゃダメなのか・・・・)



そうだよねー総長するなら、戦えないとね・・・・



(瑞希お兄ちゃん好みの子になるためなら、頑張らなきゃ!それがラブストーリーを進めるカギよ!)




〔★絶対に、恋愛という意味の好みではない★〕

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