幼馴染みはイジワル課長
「見てんじゃねえよ」

「うっ…」


スキを突かれたように、碧に唇を指でつままれて伸ばされた。



いつもだったら怒るところだけど、なんか今日は碧に会えた事が嬉しくて怒るスイッチが入らないな…

毎日のように会社で会ってるのに、今日は半日以上ぶりに会うからいつものテンションとは違ってくるよ。



明日は日曜日で休みだし、今夜は碧の家にお泊まりコースかな。

是非泊まりたいところ!





「桜花ちゃーん!」


キッチンから歩未ちゃんが私を呼ぶ。





「あ、はーい!」


私は小走りでキッチンに向かった。



帰り際、さり気なく碧の家に流れで泊まる雰囲気になれればいいな。

いや、ってゆうかなる!



今日はいい1日になるはずだったんだ…

楽しい仲間とお酒を飲んで美味しいものを食べて、夜は碧と2人きりになって…

明日も碧と一緒にいられるはずだと思ってた…










「キャハハハ…」


飲み始めてから一時間が過ぎ、アルコールも入った私達はかなり盛り上がっていた。



たまには家で飲むのもいいな。

いつもは外食が多いから、なんか新鮮な気がするよ。






「それにしても結構いい部屋だな」


缶ビールを片手に、碧は部屋中を見渡して言った。




「そうだよね!難点なのは駅から遠いことだけだよね」

「まあな。ここならお前が住みたくなるはずだ」


鼻で笑う碧に、私は「うるさいな!」と突っ込む…







「楽しみだなー。早く桜花ちゃんと一緒に住みたいよ!」

「私も!」

「かわいい家具とか食器とか揃えようね」

「うん!」


そっかー♪

引越してからもそういう楽しみもあるんだ!ますます楽しみになってきたよ!






「でも心配だなぁ。女の子2人だけで住むなんて……セキュリティがしっかりしてるところの方がいいんじゃないかな?」


腕を組み「うーん…」と考え込むと、部長は難しい顔をして言う。





「セキュリティがって…もう引越してきちゃってるんだから仕方なくない?」

「まあそうなんだが…」


平然とした顔をする歩未ちゃんと、心配そうに考え込む部長。碧も部長の意見に同意しているのか、頷きながらビールを飲んでいた。



さっきのポスト事件のことがあるから、私は何とも言えないな…

現に危ない事は既に起きちゃってるわけだから、部長に「大丈夫です」なんてことも言えないし。


タイミング的に、ここでさっきのポストにイタズラな手紙が入っていたことを話した方がいいのかな?

でも話して楽しい雰囲気が壊れても嫌だしな…



とりあえず、碧と2人きりになった時に話してみようかな。

もし反対された時は仕方ないよね…

どう考えても危ないし…





「帰りは大体桜花ちゃんと一緒だし、1人の時も自転車で移動するから平気!」


歩未ちゃん…子供みたいに意地になってる。ちょっとかわいい。





「そうか…ならまだいいけど。でもなるべく1人にはなるなよ」

「わかってるよ」
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