幼馴染みはイジワル課長
「…ねえ…私がもし誰かと不倫してたら…止めてた?」

「…」


グレーでパッとしないどんよりとした空を見上げ私は碧にそう問いかけた。


碧が私の立場だったら…歩未ちゃんになんて言うかな。私みたいに見守るのか歩未ちゃんの友達のように突き放すのか、それとも…全力で反対するのか…





「…んなこと……例えとしても口に出すな」

「え…」


隣にいる碧を見ると、碧は少し機嫌が悪くなったような顔をしていた。





「…考えたくもねえ」


いつもよりずっと乱暴な口調になる碧。私は「ごめんなさい」と小声で言った。





「くだらないこと言ってないで何か飲む物買って来いよ。お前飲み物係だろ」


ほんの少しの沈黙の後すぐにいつもの碧に戻り、飲み物係の仕事が発動される。





「あ、うん…わかった!ちょっと待ってて…」


私はコンビニの中に入ってドリンクのコーナーから飲み物とサンドイッチやおにぎりを取ってレジへ行くと、2人並んでいたので私は列の最後尾についた。

レジの順番を待ちながらコンビニの中から外にいる碧をちらっと見ると、喫煙所の所にいる碧の後ろ姿が見える。



さっき…少し怒ったように見えたけど…あれはなんだったのかな…

あんな例えして怒ってくれたってことは幼馴染みとしてやっぱり私の事大切に想ってくれてるってことだよね。





「ありがとうございました」


買い物を終えて碧の所へ戻ると、碧はまた喫煙所でタバコを吸っていた。







「はいコーラ」

「悪いな」


ペットボトルのコーラを差し出すと、碧はすぐに蓋を開けてコーラを飲んだ。一緒に買ったパックのカフェオレにストローを差し口にくわえた。






「タバコ吸いすぎじゃない?」


碧と会ってからまだ数分しか経ってないのに、もう3本目だし…






「なんか落ち着かなくて…」


そう言うと碧はまたコーラを飲んだ。


碧の隣でカフェオレを飲むこの時間はすごく嬉しくて幸せだった…まるで高校生に戻ったような気持ち。

そして時々会話をしながらも、私と碧は時間がゆっくり流れたような時を過ごした。


数分後。コーラを飲み干した碧は近くにあったゴミ箱にペットボトルを捨てる。






「そろそろ行くよ」

「うん…」


あっという間の時間だったな。碧とたくさん話せたような話してないような…





「山城はお前に任せたから」

「うん」

「何かあったら連絡してろ」

「昨日からそればっかり」


フフフと笑うと、碧は「そうか?」と言ってポケットから車のキーを出した。





「車で来たの?」

「ああ」

「もしかしてあれ?」


コンビニの駐車場の一番端に止めてある、黒の四駆のかっこいい車が目についた。他にも何台か車が止まっていたけどその車はなんとなく碧っぽいなと思いカンで指を指した。
< 43 / 127 >

この作品をシェア

pagetop