幼馴染みはイジワル課長
私にとっては嬉しすぎることだよ。





「だって…私は幼稚園の時からずっと碧のこと好きだったんだからね!」


私の初恋は5歳から25歳までずっと続いてるんだよ。そっちの方が引かれる可能性高いよ…






「…それ本当か?」

「はい!?」


疑うような目で私をじーっと見る碧。





「本当だよっ!嘘ついてどーすんのさっ」

「ずっと俺を避けてたのにか?」

「え…」


一瞬時間が止まる。私の頭の中は今さっきまで碧で埋め尽くされていたのに…今は違う。私の中に梨絵の記憶が一気に蘇って来る…






「俺の勘違いだったらそう言ってくれ…だけど…お前は明らかに俺を避けてただろ?」

「…」


私は碧の問に静かに頷く。

梨絵のことを話そうか正直迷ったけれど、今は話すしかないと思った…せっかく碧とこうやって向き合えたんだから、過去のこともちゃんと話すべきだ。







「…梨絵もね………ずっと碧のことが好きだったんだよ」


とうとう言ってしまった…

梨絵の想いを碧に伝える日がやっと訪れたんだ…



ごめんね梨絵。

私から伝えるなんて不本意だと思うけど、ちゃんと伝えるよ。






「小学校の時…突然梨絵から碧のことが好きって告白されたんだ。私もずっと好きだったんだけど…先に梨絵に言われちゃったから段々気まづくなっちゃって…」


私に告白してくれた時のあの梨絵の顔は、今でも鮮明に覚えている…

どうして梨絵は私にそんな告白をしたんだろう…もしかして…梨絵も私が碧のことが好きだって気づいてたのかな…








「私は梨絵の幼馴染みだから…梨絵のこと裏切れないと思ったの…本当は私もずっと前から碧のこと好きだったけど、梨絵に先に言われちゃったから…私は諦めようって思ったんだ…」

「…だから俺の事避けてたのか?」

「うん…梨絵との仲を壊したくなったから」


だけど、碧のことを避けてたけど…ずっと諦めることなんかできなかったけどね。

避けたおかげで更に忘れられなくなったのかもしれないな…






「梨絵が私に碧の事を好きだって言うなんて…本当に本気で好きだったんだよ…」

「…知ってたよ」

「え?」

「…梨絵に2回告白されてるから」

「…………」




うそ…







驚き過ぎて言葉が出ない。









「お前のそのリアクション…もしかして梨絵が俺に告白してたってこと初耳?」

「告白ようかなって相談されたことはあるの…だけど本当にしたってことは知らなかった…」


しかも2回もしてたなんて…






「一回目が高校の時…俺が引っ越す前の日にされた…『幼馴染み以上には見られない』って断ったんだけど」


やっぱり…梨絵に相談されたのは碧が引っ越す前だった。

梨絵…あの日碧に告白してたんだ…


碧の見送りに梨絵と行った時に、2人の様子がいつもと違ってたから何かあったんじゃないかって思ってたんだけど…







「二回目は…お前らが中学卒業したあと…………梨絵は俺のことを忘れられないと言って泣いたよ」

「梨絵が?」


あんなに強い梨絵が人前で泣くなんて…よっぽど碧のこと好きだったんだな…







「あれだけ真剣に俺に気持ちを伝えてくれたから、俺もちゃんと自分の気持ち言わなきゃって思って…思い切って言ったんだ」

「…なんて?」

「…桜花のことが好きだって」

「…!」



さっきよりもびっくりした私は、心臓が止まりそうだった…

碧にそう言われた時の梨絵の顔が、頭の中をかけめぐる。想像でしかないけど…きっとかなりびっくりしたはずだ。







「俺のせいで梨絵は死んだんだよ。俺があんなこと告白したせいで…」

「碧…」


碧は拳を握り締めて悲しそうな顔をした。
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