音楽が聴こえる
あたしがテーブルにペタリと顔を伏せたもんで、佐由美さんは慌てた調子で声を掛けてくる。
「言わないよ。第一、 そこに触れたことが無いもん。……あんまり近すぎてさ…良く分かんないや」
テーブルが冷たくて気持ち良く感じる。
……あたし、酔ってるな。
でなきゃ、こんなこと佐由美さんに話してる訳ない。
「……デビュー直前で悟が拳潰したの覚えてる? 佐由美さん」
「ダイから聞いたよ。シュウと揉めてシュウを殴る寸前に横の壁殴ったって奴でしょ?」
「あれさ、わざと首になるように仕向けたんじゃないかな」
人の拳は折れやすいって言うけど、そんなの百も承知の筈の悟が自分で自分を傷付けた。
スカウトした事務所の人間は激怒したらしい。
それは当然のことなんだろう。
プロ意識に欠けた行為。
仲間割れ。
そして悟は頭を下げて自らの脱退を申し入れた。
「言わないよ。第一、 そこに触れたことが無いもん。……あんまり近すぎてさ…良く分かんないや」
テーブルが冷たくて気持ち良く感じる。
……あたし、酔ってるな。
でなきゃ、こんなこと佐由美さんに話してる訳ない。
「……デビュー直前で悟が拳潰したの覚えてる? 佐由美さん」
「ダイから聞いたよ。シュウと揉めてシュウを殴る寸前に横の壁殴ったって奴でしょ?」
「あれさ、わざと首になるように仕向けたんじゃないかな」
人の拳は折れやすいって言うけど、そんなの百も承知の筈の悟が自分で自分を傷付けた。
スカウトした事務所の人間は激怒したらしい。
それは当然のことなんだろう。
プロ意識に欠けた行為。
仲間割れ。
そして悟は頭を下げて自らの脱退を申し入れた。