甘いヒミツは恋の罠
※ ※ ※

 紅美は、目の前に広がっている光景に目を奪われずにはいられなかった。


「予約なしで急遽取ったレストランだから、あんまり大したことないと思うけど……」


(こ、これで大したことないって……大野さんってどんな感覚してるの?)


 先日のマリオンホテルももちろん高級で、とてもではないが紅美がひとりで入れるような場所ではなかった。しかし、今回大野に連れてこられた場所はそれよりもさらに上回るホテルのレストランだった。


「ここのイタリアンがお気に入りでね、いつか紅美さんを連れてこれたらいいなって思ってた」


 案内されたレストランは、高層階にある夜景の美しい個室だった。部屋に入ると大野と二人きりになってしまい、妙に心臓がバクバクと高鳴った。
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