甘いヒミツは恋の罠
(大野さんって、前から思ってたけど普通の人とちょっと金銭感覚違うよね……この間のホテルだってかなりリッチだったし……)


(やっぱり、大野さんが木田宝飾の御曹司っていうのは本当なんだ……)


 そんなことを思っていると、大野が空になった紅美のグラスにワインを継ぎ足した。


「紅美さんって、結構お酒イケるんだね。実はこのワイン、特別に用意してもらったビンテージワインなんだよ」


 きっと一本数万円もするようなものなのだろう。そんな高級なワインの味もわからず、紅美はただ無言で飲み干すことしかできなかった。


「あの、大野さんに聞きたいことがあるんです」


「なにかな? 週末の予定とか?」


「そうじゃなくて! 大野さんが木田社長の……その息子さんだって」


「あぁ……」


 地雷だとわかっていたが紅美は確かめずにはいられなかった。案の定、大野の陽気な表情が一気に曇っていった。
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