甘いヒミツは恋の罠
※ ※ ※

 ――アルチェス本部。


 社長室で、朝比奈兄弟が仕事の打ち合わせと同時に、デザイナーがあげた企画書の内容を擦り合せながら話をしていた。


「デザイナーズフェアはお疲れだったな、客足も上場で安心したよ。やっぱり本店の店長にお前を推薦してよかった」


「そりゃどーも」


 ソファに腰を下ろした朝比奈は興味なさげに言った。


「それと風邪はもういいのか? 滅多に風邪なんて引かないのに珍しいな」


「まぁ、一応馬鹿じゃないってことが証明できただろ?」


 相変わらずの弟の態度に朝比奈社長はやれやれと首を振った。


「皆本さんにお世話になったんだろ? あんなに必死になって電話してきて……お前なんかのために」


 紅美の名前を聞いて朝比奈は微妙に顔をしかめた。
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