甘いヒミツは恋の罠
「あんなことされたのにまたここに来るなんて、お前も懲りないな」


 朝比奈のマンションでベッドに押し倒された光景が蘇る。


 紅美は、朝比奈に触れられた熱を思い出しそうになって頭を振った。


「そんなことで怖じ気づいたりしません」


「ふぅん」


 朝比奈は、紅美の手にしているアンケート用紙を奪うように取り去ると冷たく言った。


「お前は知らなくていいことだ」


「隠しててもいずれわかることです。そこに書かれてること、全部私のネックレスのデザインのことですよね?」


「…………」


 朝比奈は、紅美の質問に即答することなく押し黙っていた。


「いいんですよ、万人受けするものなんて世の中にはありません。こういう意見も真摯に受け止めていかなきゃ……って」


 そう言って笑顔を作るはずだったのに自然と涙がこぼれる。拭っても拭っても止めどもなく溢れる涙に、朝比奈はため息をついた。
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