甘いヒミツは恋の罠
 そして唇が合わさる寸前だったその時――。


「誰だ?」


 ぎゅっと目を閉じていた瞳を開けると、朝比奈が険しい視線をドアに向けて睨んでいた。


 誰かが走り去っていく気配がして、見ると店長室のドアが少し開いていた。


(見られた……!?)


 店長室での秘密を誰かに見られてしまった焦燥感に、紅美は呆然となる。紅美はどうすることもできないまま、開かれたままのドアを見つめ続けた――。
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