甘いヒミツは恋の罠
紅美は今でも母を心の底から恨んでいる。会社が倒産してから数年後、神楽坂涼子は心労が祟ってかあっけなく逝ってしまった。
母親のみどりとは葬式以来、十数年会っていない。
「すみません、母がご迷惑お掛け致しました」
「別に、迷惑をかけられた覚えはない。いいから行くぞ」
「え……? 行くって? どこに?」
「今日はお前を返さない」
「……はい?」
そう言うと、朝比奈は強引に紅美の腕を引っ張って駐車場へ向かった――。
母親のみどりとは葬式以来、十数年会っていない。
「すみません、母がご迷惑お掛け致しました」
「別に、迷惑をかけられた覚えはない。いいから行くぞ」
「え……? 行くって? どこに?」
「今日はお前を返さない」
「……はい?」
そう言うと、朝比奈は強引に紅美の腕を引っ張って駐車場へ向かった――。