冷たい上司の温め方
「なんだあの音?」
「洗濯機に決まってるじゃないですか」
「そんなことはいいから、帰れ」
頑固なオトコだ。
「着替えてくださいって言いましたよね。
もう、とりあえずここでもいいから横になる!」
まるで母親の様にまくしたてた。
だけど、少しきつい言い方をしないと言うことを聞いてくれそうにない。
無理矢理ソファに寝そべらせると、氷水に浸したタオルを額に乗せる。
「少しおとなしくしてください。解熱剤、ありますか?」
「十年くらい前のものならあるが」
十年って……。
薬が腐るかどうか知らないけど、さすがにダメでしょう?
「それじゃあ、この近く、薬局ありますか?」
「あるけど、いらないぞ」
「いらないじゃないです。食べるものも少し買ってきますから」
私が立ち上がると、不意に腕を引かれる。