冷たい上司の温め方
「セルフのお店なんて初めて」という彼女に驚いたけど、私が教えると目を輝かせて注文を済ませ、その日のランチだったカニクリームコロッケが出てくると、飛び上がって喜んだ。
他にそんな子いなかったから、注目の的だったけど、こんな素直な子が悪い子のわけがないと一緒に食べることにした。
一流のレストランの味に比べたら、冷凍のコロッケなんておいしいはずがない。
それでも、私と同じように「おいしい、おいしい」と言いながら食べるお嬢様に好感を持ち、私達の付き合いは始まった。
彼女のことを知っている人達からは、どうして麻田なんかと一緒? という視線も感じた。
だけど、彼女は一向に気にする様子もなく、私といつも仲良くしてくれた。