それでもキミをあきらめない
わたしから手を離すと、星野彗はほんのちょっと身体を屈めて、考えこむように腕を組んだ。
「君ってさ、ほんとにこの学校の生徒?」
「え?」
彼は大きな目を細めて疑わしそうにわたしを見つめる。
「俺、この学校の可愛い子はもう全員チェック済みなんだよ。君みたいな子にずっと気づかなかったなんて……」
「……1年2組。紛れもなく、この学校の生徒です」
答えると、星野彗は目を丸めた。
「え、隣のクラスじゃん! 名前は? 何ちゃん?」
「……奈央」
言うべきかどうか少し悩んで、結局答えてしまった。
星野彗はわたしの名前を聞いて「奈央ちゃんね」と嬉しそうに繰り返してから、思い出したように首をひねる。
「けど、隣なのになんで気づかなかったんだろ。灯台下暗しってヤツかな」