それでもキミをあきらめない
「よぉレオ、どこ行ってたんだよ。さっきアヤノが探してたぞ」
「……ああ、店の売上金、今、渡してきた」
高槻くんはわたしのことなんか見えていないらしく、いつもの無表情で星野彗にだけ答えた。
長い足をふたたび踏み出し、「じゃあな」と言って横を通り過ぎようとする彼に、わたしは何故かほっとしていた。
このまま気が付かないで、通り過ぎてくれればいい。
「どこ行くんだよレオ。これから2年のスイーツ屋に行こうと思ってんだけど、一緒に行かね?」
金髪男の提案に、余計なことを言わないで、と声を上げそうになった。
でも高槻くんは振り返りもせず、階段を下りきって廊下を進みはじめる。
「いや、いい。俺ちょっと今、人捜し――」
「待てよレオ、この子紹介するから。俺のお気に入りなんだ。可愛いっしょ」