それでもキミをあきらめない



高槻くんは見つめていた方向とは反対方向に歩き出し、わたしは校舎裏からさらに雑草が生い茂った敷地の隅っこへと連れて行かれた。


校舎の白い壁とブロック塀に挟まれた、1メートルほどの狭い隙間にわたしを押し込めると、高槻くんは声を潜める。


「ここにいて」

「え?」

「声、出さないで」


わたしに覆いかぶさるように長身をかがめて、しっと長い指を唇に当てる仕草に、場違いにも胸が高鳴ってしまう。


「俺が戻ってくるまで、ここで待ってて」


そう言うと、高槻くんは急いで校舎裏へ戻っていく。

次の瞬間、聞き覚えのある甲高い声が耳をつんざいた。


「あ、いたレオ!」


校舎の陰からそっと向こうをうかがうと、高槻くんの黒い髪と、対照的な金色の髪が強い日差しの下で向き合っていた。


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