それでもキミをあきらめない
○。
本当に秋なのかと疑ってしまうくらい強い日差しの下で、生徒たちの笑顔がはじける。
焼きそばやカラアゲを売る屋台の匂い、あちこちに飾られた風船、風に揺られる万国旗。
その場にいるだけで、気持ちがどんどん上がっていく。
ここぞとばかりに制服をカスタマイズした女子たちの、派手なメイクも短すぎるスカートも、今日ばかりは先生もスルーだ。
高校生になってはじめての学園祭は、想像以上の賑わいだった。
「ど、どれから回ろうか!」
靴箱前の廊下は人がまばらで、わたしの声は思いのほかよく通った。
お化け屋敷のチラシ束を握りしめて振り返ると、朝子は手にしていた学園祭パンフレットに目を落とす。
「しいて興味があるとすれば、歴史クラブ展示の東海道中膝栗毛、やじろべえに関する――」
「それいちばんナシだと思ってたやつぅ!」