それでもキミをあきらめない




たとえ可愛くラッピングしたとしても、中身が不味いのだから、買った人はがっかりするに違いない。

金を返せと怒りだす人だっているかもしれない。
 

可愛いフィルムを剥がしたときに、隠したはずの醜さが、あらわになってしまうのなら……。
 

ぐう、とお腹が鳴った。
 
教室の時計を見ると、12時を過ぎている。高槻くんもそろそろ戻ってくるかもしれない。


「奈央―、着替えたかー?」

「う、うん。あとちょっと」
 

廊下に声をかけて、わたしはスカートのファスナーを下ろした。
 
夢から覚める前に、自分から目覚めてしまおう。
 
高槻くんと合流する前に、わたしがこのまずいパスタを全部売ってしまえばいい。
 
彼のとなりには、もう立たない。
 

変な期待も、身勝手な幻滅も、しなくていいように。
 

ひっそりと高校生活を送ることこそが、わたしの前向きな選択なのだから。



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