それでもキミをあきらめない



「……だれ?」
 

ぱっちりとした大きな目に、ピンク色のふっくらした唇。
 
つやつやの髪は、肩の下でゆるく巻かれている。
 
テレビのなかのアイドルみたいな女の子が、そこに立っている。
 
驚いた顔で、わたしを見てる。
 

震える手で自分の頬に触れると、鏡の中の彼女も同じように、自分の頬をなでた。


「これが、わたし……?」
 

別人だ。
 
クラスメイトが気づかないのも当然だった。
 
地味ブスだったわたしの面影が、ほとんどない。
 

パスタを吐き出していた、ピアスの上級生が頭をよぎる。
 
およそ売り物とは思えないようなものを売りつけても、誰ひとり迷惑そうな顔をしなかったのは、この姿だったから……?
 

生まれて初めて自分の姿を確認するみたいに、両手で頬を覆って、引っ張ったり、つねったりしてみる。


「痛い……」
 

夢でも、幻でもない。
 


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