それでもキミをあきらめない
「君、何年? クラスと名前は?」
わたしの腕を掴んだまま、身を乗り出すようにして質問を浴びせてくる彼につい身構える。
「星野……彗っ」
「ホシノセイちゃん? いい名前……って、やだなそれ俺の名前じゃーん」
にゃははと甘ったるい笑みを見せて、彼はさらに身を寄せてくる。
後ずさろうにも後ろは階段で、立ち尽くすわたしの腰に星野彗は慣れた動作で手を回してきた。
「おかしいな、どっかで会ったことある? 君みたいな子、一度会ったら絶対忘れないんだけど」
白い歯をきらめかせて顔を近づけてくる彼に、ぞっとした。
濃すぎず、薄すぎず、中性的で恐ろしいほど整った顔をしているけれど、翔馬と同じ、軽薄なにおいがひしひしと伝わってくる。
「星野くん、有名人だから……ていうか、手、離して、ください」
「あ、ごめんごめん」
軽く笑ってわたしから離れると、まっすぐ見下ろしてくる。