それでもキミをあきらめない



「あのさ、よかったら少しお話しない?」

「ごめんなさい」
 

即座に頭を下げて、階段を下り始めると、すぐ後ろで「ええええっ」と叫び声が聞こえた。


「ちょ、ちょっと待ってくれよ」
 

焦った様子で駆け下りてきた彼に、ふたたび肩を掴まれる。

振り向くと彼は大きな目をさらに見開いてわたしの顔を覗きこんだ。


「まさかとは思うけど、いま、断った!?」
 

迫力に圧倒されながらもわたしは答える。


「え、はい」

「ちょ、えええっ!?」
 

階段に響き渡る声に、首を縮めた。彼はわなわなと両手を震わせて、愕然とした目でわたしを見おろす。


「俺、星野彗。わかる? この学校のナンバーワン」

「はあ」   
 

曖昧にうなずくわたしの耳をかすめて、彼の腕が伸びる。

壁と星野彗のからだに挟まれて、逃げ場がない。



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