幸せにする刺客、幸せになる資格
「なら、このハサミは貴方の分でしょうね」
『ハサミ、ですか?』
「昨日頼まれたんです、ノリさんに。私達農協の外販課は、こうして購買業務もしておりますので。大量にハサミを安く購入して備蓄しておいて、各農家の注文に安価で提供し、こうやって配達するのも仕事なんです」
私はハサミを紗英さんに渡した。
そこで、ノリさんが玄関に出てきた。
『あ、山形さん。すみません、朝一番に』
「いえ、ハサミは妹さんにお渡ししました」
『ありがとうございます』
そう言うと、ノリさんは脚立を持って、
『紗英、ちょっと爺さんの所へ行ってくるから待ってろ。山形さん、僕に構わす帰って頂いて大丈夫ですから』
「はい。お邪魔しました」
ノリさんは歩いて蜂矢さんの家に向かった背中を見送り、私は車に乗ろうとした。
ところが"ちょっと待って"と、紗英さんに止められた。
『兄って、いつも山形さんにあんな感じなんですか?』
大和くんはもう学校に行ってしまったため、この家には紗英さんと私しかいない。
『ハサミ、ですか?』
「昨日頼まれたんです、ノリさんに。私達農協の外販課は、こうして購買業務もしておりますので。大量にハサミを安く購入して備蓄しておいて、各農家の注文に安価で提供し、こうやって配達するのも仕事なんです」
私はハサミを紗英さんに渡した。
そこで、ノリさんが玄関に出てきた。
『あ、山形さん。すみません、朝一番に』
「いえ、ハサミは妹さんにお渡ししました」
『ありがとうございます』
そう言うと、ノリさんは脚立を持って、
『紗英、ちょっと爺さんの所へ行ってくるから待ってろ。山形さん、僕に構わす帰って頂いて大丈夫ですから』
「はい。お邪魔しました」
ノリさんは歩いて蜂矢さんの家に向かった背中を見送り、私は車に乗ろうとした。
ところが"ちょっと待って"と、紗英さんに止められた。
『兄って、いつも山形さんにあんな感じなんですか?』
大和くんはもう学校に行ってしまったため、この家には紗英さんと私しかいない。