幸せにする刺客、幸せになる資格
「あれ?と、言うことは、テツのところも教師と生徒?」
『そうです』
『キャー、何だかそれを聞いて想像するとドキドキしちゃう』

亜香里はサラダを食べながら言う。

テツ達は、間もなく美郷ちゃんにふたり目が生まれるらしく、遠出は厳しいのだそうだ。

「マサは?」

マサは本場で修行をしたのち、自分の店を持った。
たまたま雑誌で見たことがあり、陰ながらその活躍を喜んでいた。

『アイツの私生活は、謎』

健吾が言う。

『独身であることには間違いないんだろうけど、それ以上は分からない』
「本当に何にも分からないんだ」
『聞いてもかわされるし』

マサは確かに昔から自分を語りたがらない性格だった。
変わってないってことか…。

『副社長って、忙しいんですか?その前よりも』

亜香里が聞く。

『まだなってから2ヶ月半ですが、会議と会合が多いですね』
『ゴルフの接待もあるしね』

玲奈ちゃんはそう言うと"フッ"と吹き出した。

『健吾、ゴルフがあんまり好きじゃないんですよ。可能な限りは社長が行くんですけど、やっぱりスケジュールが被ると行かざるを得なくて。もう、その時のイヤそうな顔を思い出したら、アハハ』
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