幸せにする刺客、幸せになる資格
「頭を上げてください、2人とも」

ノリが優しく声を掛けた。

「迷惑なんかじゃありませんよ。むしろうちは大歓迎です。この通り、うちには子供が沢山いて賑やかですけど、そんな環境のうちに大切な娘さんを預けていただけるなんて、これ以上ない有難いお話です。こちらこそどうぞよろしくお願いします」
『ありがとうございます』
『高校の学費については、既に修学旅行の積立金と一緒に学校に卒業までの分を先払い済です。生活費につきましては毎月、振り込みでお支払いします』

私達も、少しは千村さん親子が歩み寄れる役に立てたのかな?

かくして、琴乃ちゃんは毎日、この家から学校に通学するようになった。

大和くんと一緒に登校し、一緒に帰るので、高校では有名なカップルになってしまったらしい。

ついでに大和くんは容姿からして女子にモテるけど、琴乃ちゃんの存在がある意味"女除け"になっていることも大和くんの友達のダイちゃんのお母さんに聞いた。

家での琴乃ちゃんに相変わらずユウは懐いている。

大和くん曰く、

『間違いなくコトはユウの好みなんだよ。だから誰よりも懐く。スキンシップは俺以上じゃんか。幼児の立場を利用した役得だ』

と、冗談とも本気ともつかないことを言っている。
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