幸せにする刺客、幸せになる資格
体を繋げた瞬間で、私の中で何かが弾けた。
目の前にいるノリさんと、私1つになっているんだ。

そう思ったら、涙が零れてきた。

『辛い?』

ノリさんに勘違いされてしまったので、私は必死に首を横に振った。

「違うの。今、私の中でノリさんを感じるの。私、嬉しくて・・・」
『その"さん"って言うのも嬉しいついでに抜いてくれないかな』
「の、ノリ?」
『そう。ここにいるのは敬う上司や下から持ち上げるお客様じゃない。対等な大人の恋人同士なんだ。だから"さん"はいらない』

そう言うと、私にキスをしながら、腰を動かし始めた。

思えば、ノリさん・・・ノリは久しぶりだと言うけど、私だって負けていない。
大学4年の時からずっと彼氏なんていなかった。

それまでは確かに遊んでいたけれども、私も6年ぶりくらいか。

でも、交わることって、こんなに気持ちのいいことだったっけ?
ノリって実は上手い?

あまりの快楽に、声を抑えることが出来なかった。

『感じてくれているんだね、ありがとう』
「いいの・・・すごく」
『僕も・・・もう・・・』

全身が痺れるほどの気持ちよさに、私は酔いしれた。

『亜香里・・・愛してる・・・』
「私も・・・ノリ・・・愛してるの・・・」

最後は唇を合わせたまま、昇りつめた。
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