幸せにする刺客、幸せになる資格
『いずれにせよ、君はこの地で幸せになる資格は間違いなくあるはずなんだ。これまで沢山の苦労をこの地でしてきたと思う。それならそれ以上の幸せを勝ち取るといい。その幸せのお手伝いをうちの娘が出来るのであれば、私達は喜んで、亜香里をこの家から送り出すよ』
僕の隣に座っていた亜香里は静かに鼻をすすった。
「ありがとうございます」
僕も、涙が零れそうになったけど、堪えた。
『ただ、1つだけやっておくべきことがあると思う』
「何でしょう?」
お父さんから有難い言葉を頂戴した後だ。
何だって、聞かなくちゃ。
『君も人の親なら分かることだと思うが、勘当しようが、君の親は一生、親なんだ。亜香里と結婚した後でも前でもいい。一度東京のご実家に亜香里を連れて行き、きちんと報告しなさい。大和くんだって一度も会わせていないんでしょう?』
「はい」
『今更安西フーズの跡継ぎになるとか、そういう話ではない。亜香里はりんご農家に嫁がせるつもりで送り出すし、私達だって摘果や収穫の手伝いをさせてもらうつもりでいるし』
「そんな、申し訳ないです」
『徳文くん。我々は家族になるんだぞ。それが"結婚"ってものだ。りんご農家でピーク時に家族が手伝いのは、至極当たり前のことなんだぞ』
僕の隣に座っていた亜香里は静かに鼻をすすった。
「ありがとうございます」
僕も、涙が零れそうになったけど、堪えた。
『ただ、1つだけやっておくべきことがあると思う』
「何でしょう?」
お父さんから有難い言葉を頂戴した後だ。
何だって、聞かなくちゃ。
『君も人の親なら分かることだと思うが、勘当しようが、君の親は一生、親なんだ。亜香里と結婚した後でも前でもいい。一度東京のご実家に亜香里を連れて行き、きちんと報告しなさい。大和くんだって一度も会わせていないんでしょう?』
「はい」
『今更安西フーズの跡継ぎになるとか、そういう話ではない。亜香里はりんご農家に嫁がせるつもりで送り出すし、私達だって摘果や収穫の手伝いをさせてもらうつもりでいるし』
「そんな、申し訳ないです」
『徳文くん。我々は家族になるんだぞ。それが"結婚"ってものだ。りんご農家でピーク時に家族が手伝いのは、至極当たり前のことなんだぞ』