幸せにする刺客、幸せになる資格
「井上雷太さんです。大学生のころ、成瀬川学院大と緑川総合大との合コンで知り合いました」

私は言葉を選びつつ、3人が聞く耳を持ってくれている有難さを感じ、言葉を続けた。

「言葉巧みで、聞き上手な井上さんと意気投合した私は・・・そのまま・・・そういうことをするためのホテルに入りました。合意のもと、体を重ねました」
『無理矢理じゃなかったのですね?』
「はい。でもそこに愛情があるかと言えば…ただ、セックスをするため、互いの心を満たすとか全くありません。当時の私は、おかしかったですから」

すると"やっぱりそうか"と、健吾さんは呟いた。

『亜香里さん、貴方はかつて"セックス依存症"に陥っていた過去がありましたね?』

健吾さんの冷静な言葉に、ノリは一瞬息を飲んだように思ったけど、すぐに落ち着いた。

「はい。正しく病院で診断されたわけではないですが、あの頃は、毎日毎日・・・特に井上さんとは、互いに沢山のそういう友達を作った中の1人でした」

私が依存症に陥ったきっかけは、テニスサークルの合宿で憧れていた先輩に初めてを捧げた時のことだった。
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