幸せにする刺客、幸せになる資格
それがサークル中に知れ渡り、私は"ヤラせてくれる女"として男性部員の間で有名になった。
ことあるごとにその話題を出されることにうんざりした私はストレス発散を・・・結局セックスに求めてしまった。

20歳を過ぎたころからはそこにアルコールも加わって、記憶が曖昧な中での交わり。

でも終わると、虚しさだけが残る。
でも生きていると感じることは出来た。

別に井上さんに乱暴をされたわけではない。
井上さんに恐怖を抱くようなことは何ひとつされていない。

『君はきっと、隠したい過去の象徴である井上さんに対して、今の自分の幸せを鏡のように写し出してしまったんだ。その結果、ノリに自分の過去がばれることを恐れて、それが恐怖感にすり変わった』
「その、通りだと思います。最終的に、その生活と就職活動に疲れて、安曇野にUターンしたんです」

イヤダ、イヤダ。
ノリに嫌われたくない。

そんなどうしようもない焦燥感が、私を嗚咽させた。
すると、傍らにいるノリが、私の肩を抱いた。
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