幸せにする刺客、幸せになる資格
健吾さんによれば、今井上さんは健吾さんのお姉さんの実穂さんと結婚し、男の子の父親だそうだ。
実穂さんとの結婚を認めてもらうため、心を入れ替えて過去の遊び人だった頃の井上さんの姿は微塵もなく、妻と子供を愛する善きパパだそう。
過去にとらわれていた私のせいで、井上さんをあの会場から退場させてしまい、それも申し訳ない。
「あの」
『何でしょう』
「井上さんに、お詫びがしたいんですけど、先程の非礼を」
すると"分かりました"と健吾さんは携帯でどこかに電話をかけた。
程なくやってきたのは、実穂さんと…井上さんだった。
『失礼します』
ここのホテルの系列であるゴールドクラウンホテルで働いているという井上さんの丁寧な頭の下げ方に、あの頃の面影がない。
ふたりは、私の前に正座をした。
『亜香里さん、申し訳なかった』
私の前でそう言って再び頭を下げた井上さん。
昔は呼び捨てだったけど、ノリへの配慮からか"さん"付けだ。
「いえ、私が割り切れなかったのが悪いんです。過去を反面教師にして地元に戻ったつもりだったのに…」
『素敵な方じゃないか、安西さんは』
井上さんは私の言葉に被せた。
実穂さんとの結婚を認めてもらうため、心を入れ替えて過去の遊び人だった頃の井上さんの姿は微塵もなく、妻と子供を愛する善きパパだそう。
過去にとらわれていた私のせいで、井上さんをあの会場から退場させてしまい、それも申し訳ない。
「あの」
『何でしょう』
「井上さんに、お詫びがしたいんですけど、先程の非礼を」
すると"分かりました"と健吾さんは携帯でどこかに電話をかけた。
程なくやってきたのは、実穂さんと…井上さんだった。
『失礼します』
ここのホテルの系列であるゴールドクラウンホテルで働いているという井上さんの丁寧な頭の下げ方に、あの頃の面影がない。
ふたりは、私の前に正座をした。
『亜香里さん、申し訳なかった』
私の前でそう言って再び頭を下げた井上さん。
昔は呼び捨てだったけど、ノリへの配慮からか"さん"付けだ。
「いえ、私が割り切れなかったのが悪いんです。過去を反面教師にして地元に戻ったつもりだったのに…」
『素敵な方じゃないか、安西さんは』
井上さんは私の言葉に被せた。