恋輪(RENRIN)
「とお……」

声を掛けようとして

ドアの後ろに立っている人が目に入った。

!!……さっきの……

「誰?」

「絢音今日、人を紹介しようと思ってたんだ。」

「こんにちわ、勝手にお邪魔しちゃってごめんなさい

 御津島清羅(みつしまきよら)といいます」

ふわりと香るあの香水の香り。

ああ、この人なんだ。大人の事情の……

「あ……はい」

「俺さ……へへ、この人にプロポーズしたんだよ。

 それでさ、OK貰ったんだ」


「へ、へえそうなんだ」

「絢音のおかげ」

「は?」


「この間、お前のつけてた香り、

 この人に俺がプレゼントとしたやつと同じでさ、

 偶然再会した時、

 この人まだそれと同じ香水つけてたんだよ」

二人はにっこりとほほ笑みあった。

何で?

何で私の前でこの二人はこんなことしてるのよ。






< 50 / 54 >

この作品をシェア

pagetop