恋輪(RENRIN)

「俺たち、一度別れたんだけど、

 心の隅でずっと思いあってて、

 お前がつけてた香水で、

 再燃したっていうか、

 だからさ、

 なんて言うのお前が俺たちをまた繋いでくれたんだよ」


何いってるか良く分かんないんだけど?

香水って、

私は亨ちゃんの気がひきたくてつけたんだけど?


それが、引き金って?ふざけないで!


「ああ、ごめん急にこんなこと言ったって困るよな

 まあ、要するに

 俺たちお前にお礼が言いたいってことだよ。

サンキュウな、

 やっぱお前はいつだって俺の味方だよ。」


亨ちゃんがとびっきりの笑顔でガシガシとあたしの頭をなでる。

「痛いよ!あたし頭痛いんだから、

 用がすんだら帰ってよ。

 もう寝るから!」


「そうか悪かったな。

 ゆっくり休めよ。」


「ごめんなさい具合が悪いのに押しかけちゃって、

 これ、好きだって聞いたから」

「ああ、どうも」

振り向きもしなかった。

あたしは二人に背を向けて、

ベットの布団にくるまった。


「お大事にな!」

返事なんかしてやんない。


だって何か言ったら泣いちゃうから。

背中でゆっくり閉まるドアの音を聞いた。


感じ悪かったろうな。でも、もういいどう思われたって、

亨ちゃんには私の思いは届かないんだから。

亨ちゃんはいつだってあたしの味方で

いつだってやさしくて、

大切にしてくれたのに、

人のものになったからこんな態度とっちゃって、

あたしはやっぱりこどもなんだな



-----亨ちゃん!
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