【短編】愛して欲しい。
「おーい? おーい?」
「はぁ!?」
思い出しイライラしてしていた俺は、かけられた声にすら苛立つ。
俺の前で苦笑いを零した水城は灰皿片手に
「灰。落ちるから」
そう言って俺の煙草を見つめていた。
「あ。あーわりぃ」
「何あったか知んねーけど、イライラは体によくないぞ?」
呆れたように笑い、灰皿をテーブルへと置いた。
確かに。
そうだよな。
人に聞いただけで、莉衣に聞いたわけじゃない。
もしかしたら……違うかもしんねーし。
いや、それよりも莉衣に聞けば済むんじゃね?
……って聞けるかよっ。
『俺、お前の彼氏だよな?』
なんて、女子高生にハマるただの馬鹿男のセリフじゃん!
有り得ねぇ。
ぜーったい有り得ねぇ。