【短編】愛して欲しい。
「…………………………はっ!?」
後悔と、情けなさで落ちる俺に、素っ頓狂な声が返ってきたのは暫くしてから。
その声に、特定の男はいないんだろうと、何となくわかった。
「浩、何言ってんの?」
いつもより少し低い莉衣の声に、やっぱ直球勝負は失敗だったと後悔し直す。
「あ゙ー! もうっ!」
頭をガシガシとかきむしりながら、その場に座り込んだ。
ナシ!
もうナシだ、ボケ!
色々考えて、なるべく情けない俺を見せないようにする。とかナシ!
もういいわ。
かっこ悪くてもいい。
俺は、莉衣が好きなんだ。
俺だけのにしたいんだ。
「俺だけに出来ねぇの?」