Only
「でもなー、何か応援したくなるんだよな、お前らって」
「俺ら?」
「おう」
ククッと笑う仁の顔は、何だか背中を押されるような、優しい笑顔だった。
「よし、今日はここまでだ。お疲れ様!」
「「「お疲れ様っしたー!」」」
全てのメニューを終えて。
ログハウスに戻った。
キッチンの方に目をやると、輝が部屋に戻ってく姿が見えた。
…何かあったのか?
様子を見に行こうと思ったけど
「シャワーはとっとと入れよー」
と先生に釘を打たれて、止めた。
…シャワー入らねーと…
「なあ、輝ちゃんと何かあったのか?お前」
シャワーから上がってきた仁が、タオルで髪を拭きながら訊いてきた。
「輝と?何もねーけど」
仁とは2人部屋の同室。
ベッドでスマホをいじってた俺の隣に
ドカッと座ってきた。
「泣いてたっぽいよ、輝ちゃん」
「泣いてた…?」
何で、泣く?
やっぱり何かあったのか…?
「ああ。何があったのかは、分からないけどな。
…心配なら、様子を見てきたら?」
「……わかった」
スマホをベッドに投げて、輝の部屋に向かった。