Only
軽くシャワーに入って。
髪は乾かさずにリビングに直行。
「おはよう輝、早いのね」
お母さんがキッチンから顔を出した。
フレンチトーストの良い香りがする。
「んー、昨日疲れてすぐ寝ちゃったからー」
「輝は早起きでいいな。それに比べてあいつはまだ寝てるのか?」
光のお父さんは階段の方を見ながら、呆れたようにそう言った。
“お前が無防備すぎっからだぞ”
…さっきの光の言葉を思い出す。
「ひ…光なら、昨日遅くまで勉強してたみたいだから。もう少し、寝かせてあげて?」
慌ててフォローするあたし。
今日は開校記念日のため学校は休み。
もう少し寝かせておいても問題は無いだろう。