理想の都世知歩さんは、
だって袿絶対喜んでくれる、と続ける都世地歩さんを椅子に座ったまま眺める私。
「袿は優しいのに」
「“袿は優しいのに”何だ!それに都世地歩さんは兄ちゃんの本性を知らないね」
「本性!?何それ格好良い」
「兄ちゃんはね、確かにヒモスキル高いし優しいしヒモスキル高いけど、それは私たちが兄妹だとか友だちだとかだからなんだよ」
「どういう意味」
「兄ちゃん、見えないけど物凄い“病み”気質なの。恋愛」
「やみ?」
都世地歩さんは、病みの意味がわからないらしい。
知らない方がいいから放っておこう。
「ウン。写真撮ろうかな」
「!お願いします」
スマホのレンズを向けると都世地歩さんは、一体何の血が騒ぎだすというのか格好付けたポーズをとり始めた。
自分の世界に入られてしまったようだ。
その時私は、都世地歩さんの左肘に小さな傷があるのを見た。
「あれ、都世地歩さん傷?」
「ん?」
振り返った彼は私の視線を辿って「ああこれ」と続けた。
「縫い痕っぽいけど、痕が残っただけ」
袿にも言われたことある気がする、やっぱ兄妹だからかなと言う都世地歩さん。
兄ちゃん?