理想の都世知歩さんは、
何とか…何とか説明しなきゃなーと考え込みつつ家へ帰る手には、都世知歩さんが私の初出勤時に出迎えてくれたように、奮発したお寿司があった。
もっと他にもないかとは考えたけど、冬とかだったらすき焼きとかでも良かったんだけど。春だしなぁ。
ピザとる等も考えて、そうだ都世知歩さん和食好きじゃないかって。
結局お寿司。
出張としか聞いていなかった為、一度も連絡してない。
ただ沢山買った荷物の重さに、エコバックをぶら下げた指は赤くなっていた。
帰宅してからは只管レシピ本を見ながらの料理に励む。
この、彩り豊かな煮物がアップで表紙に写されている料理本は都世知歩さんがくれたものだ。
『俺は全部頭に入れたからいい』のだそう。…驚くほどイケメンだ。
私は未だ必死に、何度も目をやらないと料理を進められない。
それでも『やった方がいい』と私のヘタな料理を食べてくれるから申し訳ない。
手を動かしていると、後ろで連絡の通知音がした。
きりのいいところで手を止めてスマホを手に取ると、連絡は都世知歩さんからだった。
『22時前には着く予定。眠かったら寝てていいから』
何てことない言葉なのに、そっと口角を上げてしまっている自分に気付いて頬を抓って、『まってます』と返信した。