BULLET for MY VALENTINE
**
出立日が決まった。
奇しくも、その日はロイの誕生日だった。
しかし誰も祝杯をあげず、労いもせず、見送りもしなかった。戦争反対を掲げる世間は、その逆行を冷やかに受け止めた。
それでもロイは屈しなかった。むしろ、それをバネにして自分を意気込ませ、胸を張っていた。
そして、出立の日――――
家にはロイの1人のみ………
ジャクソンは相変わらずの集会に赴き、母親はもう何日も行方不明だった。
「みんな…大嫌いだ。いいさ、帰ったらみんなを見返してやるんだ。母さんも、ワーナーさんも、みんな、みんな!」
何回もその言葉を頭の中で繰返し、繰返す。
深呼吸をし、ロイは玄関へと向かった――――
と、そこで玄関の棚に小さな箱が置かれているのに気付く。
そしてそこには
「Happy Birthday」
と書かれたメモ用紙が添えられていた。
「………?」
眉をひそめ、ロイは箱を開けた。
「………これは?」
中には、ネックレスが入っていた。
ライフル弾の、ネックレスが。