BULLET for MY VALENTINE

      **

出立日が決まった。

奇しくも、その日はロイの誕生日だった。


しかし誰も祝杯をあげず、労いもせず、見送りもしなかった。戦争反対を掲げる世間は、その逆行を冷やかに受け止めた。

それでもロイは屈しなかった。むしろ、それをバネにして自分を意気込ませ、胸を張っていた。




そして、出立の日――――


家にはロイの1人のみ………

ジャクソンは相変わらずの集会に赴き、母親はもう何日も行方不明だった。


「みんな…大嫌いだ。いいさ、帰ったらみんなを見返してやるんだ。母さんも、ワーナーさんも、みんな、みんな!」

何回もその言葉を頭の中で繰返し、繰返す。


深呼吸をし、ロイは玄関へと向かった――――


と、そこで玄関の棚に小さな箱が置かれているのに気付く。

そしてそこには
「Happy Birthday」
と書かれたメモ用紙が添えられていた。


「………?」

眉をひそめ、ロイは箱を開けた。

「………これは?」







中には、ネックレスが入っていた。

ライフル弾の、ネックレスが。

< 31 / 51 >

この作品をシェア

pagetop