BULLET for MY VALENTINE

      **


1週間後――――――


ロイは、空軍の兵士輸送機に乗っていた。

ロイの所属する第1022一個師団は、現在最も激戦地帯とされる場所の最前線へ向かう途中だった。


だが……

「エースのスリーカード」
「ちっ、6のワンペアだよ」
「ストレート」

「はあ…ふざけんなよマジでさ!?」


兵士はその恐怖にかられて緊張するどころか、ポーカーをしてリラックスしていた。

とても死地に赴く人間の状態とは思えない。緊張の欠片も無く、ただの旅行途中の学生感覚で、若い兵士は戦地へと向かっている。


上官はいない。新兵を育てるのに全員駆り出されているからだ。最初は兵士達も捨て駒扱いされている気がして不安にさらされていたが、長時間の移動でそれは無くなっていた。ロイもその一人だった。

上官も下官もいない軍――――異常な光景だが、気にする者はいない。

< 34 / 51 >

この作品をシェア

pagetop