月光-ゲッコウ-
あたしが答えると、社長はあたしの上からどけた。
び、びっくりした…。
起き上がって少し乱れた衣服を整えると、突然腕を捕まれた。
しゃ、社長??
社長の顔を見ると、眉をしかめていた。
「…本当にそうかどうか確かめないとな…。」
は?
どういう事??
社長の腕を掴む力が急に強くなる。
それと同時に、社長の方に引っ張られて、社長の膝の上に倒れる形になった。
『す、すみません!』
そう言って起き上がろうとすると、また膝の上へと戻される。
何も言えず、社長の顔を見るけれど、表情を変えずにあたしを見つめる。
『社長…?どうかされま…やッ…!』
「私を拒否る事は許さないよ、千歳…。」
やっぱり、違う。
社長のこの目はあの時と一緒だ。
どうして?
今まで、こんな事なかったのに…。
『ひぃやぁッ…』
「千歳には優しくしすぎた。これが本来の私なのだよ。」
あたしを可愛がるその指も…
あたしを見つめるその目も…
その声も…
今までとは違う。