月光-ゲッコウ-
その後の社長は、いつもと変わらない社長だった。
朝のあの時だけなのだろうか??
あたしに優しくし過ぎたってどういう事なんだろう??
あたし以外の愛人(ヒト)にはいつもあんな感じって事??
「どうしたの?めずらしくボーっとして。」
突然声をかけられてびっくりして振り向くと、先輩秘書の麻生さんだった。
「そんなに驚かなくてもいいじゃない。ランチ行かない?」
上品に笑う彼女の誘いを受けて、ランチに行く事にした。
麻生 百合さんは35歳で、昔第一秘書を勤めた事がある人。
そう以前は社長のお気にだった。
現在は秘書達のまとめ役で、秘書課の羽鳥課長に続いての地位にいる。
第一秘書の座には2年半ついていた。
愛人じゃなくなっても、社長からの信用度は高く、結婚後もこうして秘書課にいる。
社長の海外出張の時はあたしではなく、麻生さんが行く。
第一秘書を降りても、この地位にいれたのは麻生さんくらいだ。
「何か悩み事??新堂さんがあんな感じなの初めてみたわ。」
あたしそんなボーっとしてたんだ。
今社長は第二秘書を連れて回ってる為、めずらしくオフィスで仕事してたからかな…