キミのための声






意味が分かんないよ




"そっくりな"って?何?





てゆーかあたし




振られそうになったよね?





……振られた?




続ける意味ないって、
言われたよね。





「……分かんない…」




ヨタヨタと階段を上がって、
自分の部屋に入りベッドに寝転ぶ。





―――葵くん




葵くんが好き




だけどそれだけじゃ
ダメなんだね




あたし何がダメなのかな




そりゃ、全部ダメダメ
だとは思うんだけど



はじめっから葵くんと
釣り合ってなかったとは
思うんだけど



あたしドジだしアホだし
可愛くないし馬鹿だし




……それでも




葵くんが、付き合ってくれる
って言うから




少しでも釣り合えるように
精一杯頑張ってたのに





全然ダメだったんだよね……





「…明日から……
どんな顔して会えばいいの…」




あんな訳分かんないこと
言うだけ言っちゃって



葵くんも怒ってたし




それで、あんな……






―――『嬉しいんだろ…?
俺が好きなんだもんな…?』






好きだからって





あんな怖い目で




あんな状況で




嬉しいはずないよ……。





「うぅー……」




枕に顔をうずめて
唸っていると、誰かが
家に入ってくる音がした。




この時間に帰ってくる奴は
1人しかいない。




ダンダンダンと階段を上る
足音がして、その足音は
あたしの部屋の前を通り過ぎて
自分の部屋へ入っていった。




紛れもなく、
兄の大輝(だいき)である。




あたしはベッドからおりて
隣の部屋へ行く。




閉まっているドアの向こうに、




「…ねぇ大ちゃん。
入っていいー?」




「あ?別にいーけど」




声をかけるとすぐに返ってきた。




ガチャッとドアを開けると、
ベッドに仰向けに寝そべる
大ちゃんが居た。




大ちゃんはチラッと
あたしを見て、




「なに?」




「あ、うん、ちょっと
聞きたいことが…」




「なんだよ、顔死んでんぞ」




「ちょっ!ひど!」




相変わらず酷い兄だ。




大ちゃんは、まぁ世で言う
イケメンってやつで。




昔はよく分からなかったけど、
最近は特に分かるようになってきた。




ワックスで綺麗にセットされた
茶髪に、大きめの瞳。
鼻筋も綺麗に通っていて
外人みたいな顔してる。




でも性格は
とんでもなく冷酷な奴だ。







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