キミのための声





グチャグチャだった頭の中は、
大ちゃんのおかげで
少しすっきりした。



分からないことは、
まだいくつもあるけれど。





部屋に戻ると、ベッドの上で
ピカピカと光る携帯。



開いて見ると、
着信が入っていた。




「…晃平?」




表示されている『高崎 晃平』
の名前に、少し驚く。



晃平から電話なんて珍しい。




とりあえずかけ直すと、
すぐに繋がった。




『お、中山?』



「うんっ!どうしたの?」



『なんかさ、建吾が
中山のケー番早急に
教えてほしいって言ってて』



「…建吾くんが?」



『そうなんだよ、なんか
急いでるっぽくてよ。
……何かあったのか?』




"何か"と言われて、
今日の放課後のことを思い出す。




「んー…まぁ、何か
あったというか…色々…」



あやふやな返事に、
晃平はあたしの気持ちを
察したのか、優しい声で
「そっか」と言い、



『じゃあとりあえず、
建吾に教えていいか?』



それ以上は何も聞かずに
そう言ってくれた。



あたしは笑顔で頷き、



「うんっ、いいよ!」



『分かった。
じゃまた明日な!』



電話を切って、
きっと割と早く建吾くんから
電話があるだろうと思い、
部屋でゴロゴロとしていた。




いつもなら、
付き合い始めてすぐの頃に
勝手に撮った葵くんの
超イケメン写メを見て
ニヤニヤするところなんだけど




さすがに今日はやめておいた。






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