夢ノ夢子のズルい罠
「今日も、夢子姫は輝いてますなぁ、コウイチ殿――」
「んおぉ、リョウジか――輝いているんだか、無理に輝かせているんだか、さっぱりわからん――」
小太り、眼鏡、汗――。
いかにもオタクっぽい風貌のリョウジに、コウイチは夢子の考えている事はさっぱりわからんと言わんばかりに、言葉を溢す――。
「それよりもリョウジ、昨日も深夜まで仕事だったんだろ――」
「まぁな――コウイチ――」
その出で立ちに似合わない、セクシーストロベリーヴォイスでリョウジは、コウイチの耳元で低く囁く――。
「リョウジ、気持ち悪いからやめろ――それと、おおっぴらにその声、使うなよ――」
「いやぁコウイチ殿、ついテンションが上がってしまい、申し訳ないっ――ドゥふっ、ドゥふっ――」
制服のポケットから、ハンカチを取り出し滴る汗を拭うリョウジ――。
「ちょっと何ぃ、あの汗――」
「相変わらずオタクリョウジ――キモーイ――」
モブ子達が、リョウジを訝しげに眺め、否定する――。
それはいつもの事――。
モブ子達を睨み、恨む様子もリョウジは見せない――。