キミとの距離は1センチ
さなえちゃんの女子力に感心していたら、間もなく目の前に、1枚の細長い紙が差し出された。
「これ、今やってる映画の割引券なんですけど。よかったら、珠綺さん使いませんか?」
「え! いいの?」
彼女の小さな手からチケットを受け取って、よく見てみる。
それは今話題の、純愛ストーリー映画の割引券だ。
わたしの反応に、さなえちゃんはにっこり微笑んだ。
「はい。友達がくれたんですけど、私は使用期限までにどうしても都合つかなさそうで……もし珠綺さんが行く機会あるなら、どうかなって」
「そうなんだー。ありがとう!」
お礼を言ってから、再度割引券をまじまじ見つめる。
この映画、すっごく観てみたかったんだよね。
せっかくの機会だから、今週末の休日に行って来ようかな。わたしは映画館、ひとりでも行ける派だ。
「なになに、映画?」
ひょい、とそこでわたしの背後から顔を覗かせたのは、先輩の浅尾さん。
「さなえちゃんに割引券もらったんですよー」とチケットを掲げて見せると、浅尾さんはあっさりとわたしの手からそれをつまみ上げた。
「これ、今やってる映画の割引券なんですけど。よかったら、珠綺さん使いませんか?」
「え! いいの?」
彼女の小さな手からチケットを受け取って、よく見てみる。
それは今話題の、純愛ストーリー映画の割引券だ。
わたしの反応に、さなえちゃんはにっこり微笑んだ。
「はい。友達がくれたんですけど、私は使用期限までにどうしても都合つかなさそうで……もし珠綺さんが行く機会あるなら、どうかなって」
「そうなんだー。ありがとう!」
お礼を言ってから、再度割引券をまじまじ見つめる。
この映画、すっごく観てみたかったんだよね。
せっかくの機会だから、今週末の休日に行って来ようかな。わたしは映画館、ひとりでも行ける派だ。
「なになに、映画?」
ひょい、とそこでわたしの背後から顔を覗かせたのは、先輩の浅尾さん。
「さなえちゃんに割引券もらったんですよー」とチケットを掲げて見せると、浅尾さんはあっさりとわたしの手からそれをつまみ上げた。